ららら科學の子
- 作者: 矢作俊彦
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- 作者: 矢作俊彦,大友克洋
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- 作者: 原田真人
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団塊の世代とか、学生運動とか全然知らない。ハードボイルドに期待してない。これでいいよー。
妹と、妹と同じくらいの少女だった妻と、ウランちゃんの脚をしたルーズソックスの妹と同じ制服を着た女子高生。この三人の女性が割と大きな軸となって物語を構成していると思う。学生運動とか中国の話とか地上げの話とかは単純にただ「そういうことだった」過去の描写でしかないと思う。帰国子女の礼子とか、淡々と続く渋谷の描写、これは全然別物で、『バウンス』で描かれるものと同種のものかもしれない、それはまったく団塊の世代には関係ないもの、と思ったけどバウンスでもカラオケで役所こうじとじょんこがインターナショナル歌ってたな。そういえば桃井かおりは学生運動のさなか片目を失った女の役だった! 全然忘れてた。 もしかして同じ話じゃん。というわけで『ららら科學の子』を読んだら是非、映画「バウンス ko GALS」も見てみるといいんじゃないだろうか。本『バウンス』も悪くない。ららら科學の子の主人公の「彼」が帰ってくるより少し前の渋谷、女子高生が主役の渋谷です。「彼」がここに帰ってきていたら・・・と想像したり。
もうベタベタ感満載で大いに結構。中年男と女子高生最高。三里塚への哀愁ベタベタ。
数少ないですが私の読書歴の中で金城一紀『GO』中島敦『山月記』『舞姫』に並ぶ名作だと思う。『舞姫』は大嫌い森鴎外最悪だけど名作と思う。
本当におもしろい話だと思うんだけど、私が特に気に入ってしまったのは、ウランちゃんの女子高生がいい味出してて好き(黒大王の女子高生を思わせた昼間からビール飲んでるところが一瞬)なのと、渋谷と特に世田谷になじみがありすぎるから。
世田谷線とか世田谷線とか世田谷線とか三軒茶屋のキャロットタワーの展望台とかね、「二階の本屋とビデオ屋」というのはわたしが普段ビデオを借りるTSUTAYAですたい。もうなんか一緒に歩いてる感じに渋谷三茶の景色を私の中に再現できるから。
世田谷線旧型車両、渋谷のプラネタリウム、ドンキの山積み、「彼」が見たけどわずかの間にもうなくなってしまったものが多いのも見事にあたしの一点に染みて。
気分はもう戦争もこの古い表紙のものがダンボールのどこかに埋まっているので掘り返します。