陰陽師完結
- 作者: 岡野玲子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/09/29
- メディア: コミック
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そして各ページがそれぞれ美術品のような完成度。例えば鮮やかに彩色がほどこされたバイブルの写本が高額な取引の対象になるように、これもどれか一ページでも飾っておきたいような美しさ。
12巻が発売されたときにはちょうど太極拳のレポートで「卦」について調べていて、卦について知らなかったら理解できなかっただろう*2と思ったけど、今回はまたタイミングよく「ルネサンスの建築」についてレポートを書いていたら、ルネサンスの美とは「調和」と「比率」という話で、さらに建築については人体比率と建築比率を同一視する...レオナルド・ダ・ヴィンチのノートでおなじみの「ウィトルウィウス的人間」みたいな絵が陰陽師のあとがきにも!*3(平安京は円*4に内接する正五角形に内接している。でもって内裏は脳部分。)
私はギリシア哲学をベースに勉強していたから盲目的になっていたわけです。ウィトルウィウスの「建築書」にみられる人体比率と建築比率の同一視というのはギリシアの神殿などが参考にされているわけだけど、それよりさらに前の時代の古代エジプトの神殿にも人体比率と建築比率の同一視は適用されている、と岡野玲子はあとがきで述べているわけです。というかウィトルウィウスについては一言も語っていない。知らないわけないんだろうけど知らなかったらもっとおもしろいな。あと夢枕獏の字もあとがきには一言も出てきません。あとあと参考文献の中でもエジプト版天球の音楽みたいなのの一端が語られていそうなので、私からも日本語訳の出版をお願いします。*5