河岸忘日抄

あんまり趣味な感じではないが、誕生日にいただいたのだからけっして悪い本ではないはず、と思って、とりあえず捲り終えた。飛ばし読みに非常に便利な本で、段落ごとに「*」で区切りを入れてあり、大家の話だな、とか、<卵と私>の話だな、と認識だけして先に飛ばしてしまうことも可能だし、だから、ぱっと見ただけでは何の話だかわからなくても飛ばして、あとから「Kの話って何だ」と思っても、もとに戻ってじっくり読むのも容易く、そういう読み方を肯定してくれる本だと思う。活字中毒者にとっては、非常に長いので、欲を満たしてくれるのだろうし。
渋い感じ
日本人男性@フランス
河に浮かぶ船に住む。
ジャンベの音
留守電機能のついていないFAX
大家の男性
郵便配達人(現代フランスの世相を反映してアフリカの出身らしい)
彼が持ってきた謎の女性あての手紙
船に遊びに来る謎の少女
彼女に聞かせた「怪物鮫K」の話

小切手
クレープ(バナナ、カリン)
ガラパゴス(コーヒー)
<卵と私>という商標の卵と、ほうれん草とオムレツと映画「ひまわり」と<修道女のおなら>(食べてみたい!)
萩尾望都『メッシュ』と同じ空気かも。
ISBN:4104471038